
以前、「権力を握る人の法則」という本の書評で、「愛されるより恐れられよ」とお伝えしました。
しかしながら7~8月のハーバード・ビジネス・レビュー(米国版)で、反論が述べられていたのでご紹介します。
その昔、「愛されるより恐れられよ」と呈したのはマキャベリです。ただしマキャベリの時代は戦乱で、恐れられるような存在にならないと、いつ欺かれるか分からないような世の中でした。
昨今では、信頼関係の下地を築く前に自分の能力や業績(強さ)を強調し過ぎると、不必要に恐れや敵対心、妬みなどの感情を招いてしまい、かえってリーダーシップを発揮しにくくなることが示されました。
51,836人のリーダーを調査したところ、最も好感度の低い20%に該当し、かつ最もリーダーシップがある20%と評される人は27人しかおらず(2,000人に1人)、このデータからも、(嫌われることを厭わずに)恐れを抱かせるだけでは、良いリーダーにはなれないことが伺い知れます。
恐さではなく、心の温かさを醸し出すことから始めることで、信頼性が高まり、素晴らしいアイデアを引き出せたり、受け入れてもらえる効用が高まります。ハーバード・ビジネス・レビューでは、温かさを醸し出すための立ち振る舞い(例えば発声であれば、友人を迎え入れる時のように高さも声量も低めで)についても言及されていました。
私もつい自己紹介で「こんなことができます!」など、時にアピールし過ぎてしまう傾向があるのですが、逆に他の人からそういうアピールを聞いても、確かに必ずしもプラスに受け止めたりしないんですよね。状況にもよるかとは思いますが、まずは信頼関係の下地作りから始めることを、より意識していけたらと思いました。
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